「LIFE」の先行シングルであり、「LIFE」の一曲目にも収録された究極のポップチューン。
この一曲だけでも十分ポップ過ぎてとろけそうなのに、アルバムでは、この後に”ラブリー” が畳み掛けられるので、ぬかるみのような底無しの
至福の時が味わえる。
「愛し愛されて生きるのさ」なんて、まずタイトルからして、イッちゃってる。
一歩間違えたら演歌の世界のようなベタベタなタイトル。
曲自体は、キャッチーで、跳ねたリズムが印象的なサウンド。
そこにこれでもかとばかりの情報量たっぷりの歌詞が字余りにならず、奇跡的なセンスで乗せられている。
一聴すると、単純に川沿いにそって、恋人に会いにいくだけの歌に聴こえるが、実際は時間軸が交錯し、リアルタイムな感情とノスタルジーが同居する。
歌の中にさりげなく往年の他の曲目(”いとしのエリー”)を引用し、時間を遡る効果をあげるとともに、語りのパートを入れたり、様々な試みをおこないながら、短編小説のような奥行きを演出。
散漫になるどころか、約4分半のめくるめく世界観に圧倒され、繰り返し聴きたくなる正統派ポップスに仕上げる技は職人並み。
時代のせいか、収録二曲のカラオケ版も収録しているのはご愛嬌。
実際、前作ソロ1st「犬キャラ」発表後、暫く間を置いてシングル発表された「今夜はブギーバック」そして「LIFE」の前哨戦、本シングルを助走として、時代を席巻するオザケンの快進撃は始まった。